健康な食生活の強い味方!栄養成分表示をかしこく活用しよう
スーパーやコンビニで食品を選ぶとき、パッケージの裏に書かれている「栄養成分表示」をチェックしていますか? 「難しそう」「よく分からない」と感じる方もいるかもしれませんが、実はこの表示、私たちの健康な食生活をサポートしてくれる、とっても大切な情報なんです。
2020年4月からは、新しい食品表示制度によって、原則としてすべての加工食品に栄養成分表示が義務付けられるようになりました。今回は、栄養成分表示の基本的な見方や、かしこい活用法を分かりやすくご紹介します。
栄養成分表示って、なぜ大切なの?
栄養成分表示は、その食品にどんな栄養素がどれくらい含まれているかを教えてくれる「食品の成績表」のようなものです。これを見ることで、私たちが毎日摂るべき栄養素をバランスよく摂取できているか、また、摂りすぎを避けたい栄養素がないかなどを確認することができます。
例えば、塩分の摂りすぎを気にしている方なら、塩分(食塩相当量)の少ない食品を選ぶことができますし、ダイエット中の方なら、カロリーや脂質の量を比較して選ぶことができます。
栄養成分表示の「基本の5項目」
栄養成分表示には、次の5つの項目が必ず表示されています。これらは「基本5項目」と呼ばれ、私たちの健康維持に欠かせない情報です。
- 熱量(エネルギー) いわゆる「カロリー」のこと。体の活動の源となるエネルギーの量です。
- たんぱく質 筋肉や皮膚、髪の毛など、体を作るもとになる大切な栄養素です。
- 脂質 エネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンの材料にもなります。種類によって体に与える影響が異なるため、摂りすぎには注意が必要です。
- 炭水化物 ごはんやパン、麺類などに多く含まれ、体の主要なエネルギー源となります。食物繊維も炭水化物の一種です。
- 食塩相当量 食品に含まれるナトリウムの量から計算された、塩分量のことです。高血圧予防のためには、摂りすぎに特に注意したい項目です。
これらの項目は、通常「100gあたり」や「1食あたり」など、基準となる量で表示されています。自分が食べる量に合わせて、それぞれの栄養素の量を計算してみましょう。
以前の表示の食品もまだあるかも?
2020年4月1日より前に製造された食品の中には、まだ古い表示のものが流通している場合もあります。表示方法が少し異なることがありますが、基本の栄養成分(熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量)は記載されていますので、そちらを参考にしてくださいね。
「表示方法」と「栄養強調表示」にも注目!
栄養成分表示には、いくつかの表示方法や、特定の栄養素を強調する表示もあります。
どんな表示方法があるの?
- 個別表示: 食品ごとに栄養成分が記載されています。
- 基準値に対する割合: 「栄養素等表示基準値」という、一日の摂取目安量に対して、その食品がどれくらいの割合を占めるかが%で表示されることもあります。例えば「カルシウム 30%」とあれば、一日推奨されるカルシウムの量の30%がこの食品で摂れる、ということです。
「栄養強調表示」って何?
「高○○」「低○○」「○○ゼロ」といった表示を見たことがありますか? これらは「栄養強調表示」と呼ばれ、特定の栄養素の量が一定の基準を満たしている場合に限り、表示することができます。
- 高○○(例:高たんぱく): その栄養素が多く含まれていることを示します。
- 低○○(例:低脂質): その栄養素が少ないことを示します。
- ○○ゼロ(例:糖類ゼロ): その栄養素がほとんど含まれていないことを示します。
これらの表示は、特定の栄養素を効率よく摂りたい場合や、控えたい場合に役立ちます。ただし、「ゼロ」だからといって全く含まれていないわけではないことや、他の栄養素とのバランスも考えることが大切です。
栄養成分表示を食生活に役立てるヒント
栄養成分表示を日々の食生活に活かすことで、より健康的な体づくりにつながります。
- 比較して選んでみよう! 同じ種類の食品でも、メーカーによって栄養成分が異なることがあります。表示を見比べて、自分に合ったものを選んでみましょう。
- 目標を設定してみよう! 「一日の塩分摂取量を〇gに抑えたい」「たんぱく質をもっと摂りたい」など、具体的な目標を立てて、それに合わせて食品を選ぶとモチベーションも上がります。
- 外食や中食でも意識! お店によっては、メニューの栄養成分を表示しているところもあります。ぜひ活用してみましょう。表示がなくても、大まかな栄養バランスを意識するだけでも違います。
- 表示を「ざっくり」でも見てみよう! 細かい数字にこだわりすぎず、「このお菓子はカロリー高めだな」「このパンは食物繊維が豊富だな」といったように、ざっくりと全体像を把握するだけでも、食生活は変わっていきます。
栄養成分表示は、あなたの健康をサポートする大切なツールです。ぜひ今日から意識して、かしこく活用してみてくださいね!