「え、まさか!?」一重同士の両親から二重の子が生まれるってホント?遺伝の不思議に迫る!
「夫婦そろって一重まぶたなのに、生まれてきた赤ちゃんはパッチリ二重!」――そんな話を聞いたことはありませんか? 「遺伝だからありえないはず…」と思うかもしれませんが、実はこれ、十分に起こりうる現象なんです。今回は、一重と二重の遺伝の仕組みと、一重同士の両親から二重の子が生まれる可能性について、わかりやすく解説していきます。
一重と二重、まぶたの仕組みと遺伝の基本
まず、まぶたの形が決まる仕組みと、遺伝の基本をおさらいしましょう。
まぶたの「一重」と「二重」ってどう違うの?
まぶたの形は、**眼瞼挙筋(がんけんきょきん)**という目を持ち上げる筋肉と、その上にある脂肪や皮膚のつき方で決まります。
- 二重まぶた: 眼瞼挙筋から枝分かれした腱膜が皮膚の真皮と繋がっており、目を開けるときに皮膚が内側に引っ張られて「折り目」ができます。
- 一重まぶた: この腱膜が皮膚の真皮と繋がっていなかったり、皮膚の下の脂肪が厚かったりするために、折り目ができにくい状態です。
遺伝の基本:「優性遺伝」と「劣性遺伝」
遺伝には、「優性遺伝」と「劣性遺伝」という考え方があります。
- 優性遺伝(顕性遺伝): 両親のどちらか一方にその形質があれば、子に現れやすい遺伝子です。二重まぶたは、この「優性遺伝」の性質を持っています。
- 劣性遺伝(潜性遺伝): 両親のどちらにもその形質がなくても、両親がその遺伝子を「持っている」場合に子に現れることがある遺伝子です。一重まぶたは、この「劣性遺伝」の性質を持っています。
つまり、二重の遺伝子は強く、一重の遺伝子は少し隠れやすい性質を持っている、とイメージするとわかりやすいでしょう。
一重同士の両親から二重の子が生まれるカラクリ
それでは本題です。なぜ一重同士の両親から二重の子が生まれる可能性があるのでしょうか? 鍵は、親が持つ「隠れた二重の遺伝子」にあります。
一重まぶたの人の中には、見た目は一重でも、実は二重まぶたになる「優性遺伝子」を隠し持っている場合があります。これは「ヘテロ接合型」と呼ばれ、二重の遺伝子(D)と一重の遺伝子(d)を一つずつ持っている状態です(Dd)。この場合、優性遺伝である二重の遺伝子が発現するため、見た目は二重になります。
一方で、一重まぶたに見える人でも、二重の遺伝子を一つも持たずに一重の遺伝子を二つ持っている場合(dd)もあります。
もし、両親ともに見た目は一重だけど、実は「隠れた二重の遺伝子(Dd)」を持っている場合、それぞれの親から子どもに渡される遺伝子は以下のようになります。
- 父:Dd(見た目一重)
- 母:Dd(見た目一重)
この両親から生まれる子どもの遺伝子の組み合わせは、以下のようになります。
- DD(二重の遺伝子が二つ):見た目はパッチリ二重
- Dd(二重と一重の遺伝子を一つずつ):見た目は二重(二重の遺伝子が優性のため)
- Dd(二重と一重の遺伝子を一つずつ):見た目は二重
- dd(一重の遺伝子が二つ):見た目は一重
ご覧の通り、この組み合わせだと、約75%の確率で二重まぶたの子が生まれる可能性があるんです! つまり、両親が両方とも一重に見えても、その中に二重の遺伝子を秘めていれば、二重の子が生まれるのは決して珍しいことではないんですね。
生まれてから二重になる子もいる?
赤ちゃんの頃は一重だったのに、成長するにつれて二重になるケースもよくあります。これは、成長とともに顔の脂肪が減ったり、まぶたの筋肉が発達したりすることで、二重のラインが出やすくなるためです。
遺伝の不思議を受け入れて楽しもう!
一重や二重は、その人の個性であり、魅力の一つです。遺伝の仕組みを知ることで、子どもの顔立ちに「なぜだろう?」と感じた時も、少し納得できるのではないでしょうか。
遺伝は非常に複雑で、単純な法則だけでは説明できないこともたくさんあります。しかし、目の形一つとっても、こんなに奥深い遺伝の仕組みがあることを知るのは、とても面白いですよね。子どもの顔立ちが、両親のどちらに似ているか、あるいは全く新しい組み合わせで生まれてくるか、それは赤ちゃんの個性として受け入れ、楽しんでくださいね!