「大麻」って何?医療用大麻とCBD、違法性の違いを分かりやすく解説
最近、ニュースやSNSで「大麻」という言葉を耳にする機会が増えましたね。でも、「大麻って何?」「医療用大麻って普通のとは違うの?」「CBDって合法って聞いたけど…」など、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな大麻に関するモヤモヤをスッキリさせるべく、大麻の基本的な知識から、医療用大麻、そして最近話題のCBD(カンナビジオール)との違い、そして日本の法律における違法性について、分かりやすく解説していきます。
そもそも「大麻」とは?植物としての基本
「大麻」と聞いて、まず頭に浮かぶのは「違法な植物」というイメージかもしれません。しかし、大麻はもともと、古くから繊維や種子を生活に役立ててきた、人類にとって身近な植物でした。
正式な植物名は「カンナビス・サティバ・エル」といいます。この大麻草には、実に140種類以上もの「カンナビノイド」という特殊な成分が含まれています。このカンナビノイドの中でも、特に重要なのが「THC(テトラヒドロカンナビノール)」と「CBD(カンナビジオール)」の2つです。
この2つの成分の働きが、大麻の違法性や、医療用大麻、CBDといった製品の線引きに大きく関わってきます。
違法性のカギは「THC」!精神作用の有無で決まる
大麻が違法とされているのは、主にこの**「THC」**という成分に理由があります。THCには、幻覚や多幸感といった、いわゆる「ハイになる」精神作用があるからです。これが健康に悪影響を及ぼし、依存性もあるとされているため、多くの国で厳しく規制されています。
一方、CBDには、このような精神作用はほとんどないとされています。リラックス効果などが期待されているものの、「ハイになる」ことはありません。この精神作用の有無が、大麻とCBDを分ける大きなポイントなのです。
医療用大麻、CBD製品、日本の法律における違い
それでは、医療用大麻やCBD製品は、日本の法律ではどのように扱われているのでしょうか?
1. 医療用大麻
日本の法律では、医療目的であっても、THCが含まれる大麻草そのものの使用は認められていません。これは、大麻草が麻薬として厳しく規制されているからです。
しかし、海外では、難治性のてんかんや結節性硬化症といった特定の病気に対し、大麻草から作られた医薬品が使用されるケースが増えています。日本でも、このような医療上の有用性が認められる成分については、医薬品としての開発や使用が議論されています。
2. CBD製品
CBDは、THCのような精神作用がないため、THCを含まないCBD製品は合法とされています。ただし、ここで注意が必要なのが、どの部位から抽出されたかという点です。
日本の法律では、大麻草の成熟した「茎」と「種子」から抽出された製品のみが合法と認められています。これに対し、「花」や「葉」などから抽出された製品は、たとえTHCが含まれていなくても違法となる可能性があります。これは、花や葉にTHCが多く含まれているため、その製品にもTHCが混入するリスクが高いと考えられているからです。
そのため、日本で流通しているCBD製品の多くは、海外から輸入されたもので、THCが一切含まれていないことを証明する「分析証明書」が必須となります。もしCBD製品を試したい場合は、必ずこの証明書が公開されている信頼できる販売元から購入するようにしましょう。
まとめ:大麻、医療用大麻、CBDのポイント
大麻 | 医療用大麻 | CBD製品 | |
主な成分 | THC、CBDなど | THCが主、またはCBDが主 | CBDが主 |
精神作用 | あり | あり(THCの場合) | なし |
日本の法律 | 所持、使用、栽培は違法 | 医療目的でも基本的に違法 | THCを含まない成熟した茎・種子由来は合法 |
注意点 | 厳罰の対象 | 医療目的での使用が認められる成分については研究・議論中 | THCが混入していないか確認が必要 |
このように、一言で「大麻」といっても、その成分や法律上の扱いは複雑です。特に、最近は海外から簡単にCBD製品を購入できる時代ですが、安全に利用するためには、日本の法律を正しく理解し、信頼できる製品を選ぶことが大切です。